グループ紹介
兵庫医科大学病院では重症大動脈弁狭窄症に対して、2016年度より経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を導入しています。TAVIは従来の外科的大動脈弁置換術と異なり、開胸することなく大動脈弁置換術を可能としています。当院では開胸手術が施行困難な高リスク症例に対して、積極的に新しい低侵襲な治療法「TAVI」を行っています。狭心痛(胸の痛み)、失神、息切れや下腿浮腫などの心不全症状がある方、心雑音を指摘された方、弁膜症を指摘されたが手術が困難である場合は当院循環器内科外来にてご相談ください。
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メンバー赤堀 宏州、今仲 崇裕、三木 孝次郎、吉原 永貴、田中 宏和、保科 凜
治療紹介
大動脈弁狭窄症とは…重症化すれば命に関わります
大動脈弁狭窄症とは、心臓と大動脈を隔てている弁(大動脈弁)の動きが悪くなり、全身に血液を送り出しにくくなる状態のことです。原因は加齢や動脈硬化によることが多く、近年その患者数は増加傾向にあります。大動脈弁狭窄症は軽症なものでは症状が現れにくいため、狭心痛(胸の痛み)、失神、心不全などの症状が現れてから発見されることも多くあります。一般的にこのような症状が現れた際には治療適応と考えられています。重症の大動脈弁狭窄症の場合は、早期に治療を行わないと突然死の危険性を伴い予後不良な疾患です。
「大動脈弁狭窄症」 の治療とは…
今までの重症大動脈弁狭窄症の治療法は、開胸手術により大動脈弁を新しい機械弁または生体弁に置き換える方法(大動脈弁置換術)でしたが、高齢の方や併存疾患を患っている方で手術リスクの高い場合は手術が困難と判断される場合が多くありました。経カテーテル大動脈弁留置術 (TAVI) は、カテーテルと呼ばれる医療用の管を用いて大動脈弁を新しい生体弁に置き換える治療法で、従来の開胸大動脈弁置換術よりも低侵襲であり手術が困難と判断された高齢の方でも施行可能な新しい治療方法です。
当院でのTAVI
当院ではまず患者さんの大動脈弁狭窄の程度がどの程度か評価を行い(入院での検査もあります)、冠動脈疾患が並存していないかなど、併存疾患のスクリーニングも同時に行います。また開心術を選択した場合のリスクも考えながら、患者さんごとに最適な治療を目指しています。そのために心臓外科医、循環器内科医(インターベンション医と超音波医)が緊密に連絡を取りながら、Heart Teamとして治療戦略を考えています。