教室紹介

Message教授あいさつ

有機的に診療、研究、
教育に取り組み
阪神地区の中核機関として、
地域医療に貢献

兵庫医科大学循環器・腎透析内科学講座の石原正治です。兵庫医科大学の循環器内科は旧第一内科の流れを汲み、領域別講座制に移行してからは循環器内科と冠疾患科の2講座として、それぞれの特徴を生かしつつ協力して運営されてきました。私自身はこれまで一貫して急性心筋梗塞を中心とする循環器急性医療の第一線で診療に従事し、前任地の国立循環器病研究センター心臓血管内科部長を経て、2014年に冠疾患科の主任教授として着任しました。2018年からは循環器内科主任教授の兼任となり、今まで以上に循環器内科と冠疾患科が一体となって有機的に診療、研究、教育に取り組んでまいりました。さらに講座再編に伴って腎透析内科も加わり、2020年からは循環器・腎透析内科学講座として活動しています。

診療への取り組み

診療では、阪神地区の中核機関として、地域の病院や医院の先生方との連携を重視し、密接な協力体制を構築しています。その一環として、医療機関・救急隊専用のホットラインを開設し、救急対応のみならず循環器疾患患者に関するご相談にもスタッフが24時間/365日態勢で対応しています。また、近隣医科との合同勉強会やカンファレンスも数多く行っています。これからも中核機関としての専門的・先進的医療の実践と地域医療への貢献が両立できるよう、診療レベルをさらに向上させるとともに、心のこもった医療のできるスタッフの育成にも努めてまいります。地域の先生方の益々のご支援をお願いいたします。

研究への取り組み

研究では、「患者から学ぶ」ことを基本として一例一例の経験を蓄積する観察研究、新しい検査法や治療法を探索する介入研究、それらを検証するための多施設共同研究などの臨床研究を行っています。さらに、心血管病の病態解明や新たな治療法の開発を目指して動物実験や細胞実験などの基礎研究にも取り組んでいます。そして「自らのデータをもって世に問う」。そのために学会・論文発表を積極的に行い、これらの研究成果のいくつかは最新のガイドラインにも引用されています。現在では標準治療とされている急性心筋梗塞に対する再灌流療法や心不全に対するβ遮断薬も当初は禁忌と考えられていました。私たちは「新しい常識を作ろう」をモットーに臨床の疑問に答えるための研究を推進しています。

教育への取り組み

教育では、単に知識を増やすのではなく、つねに病態から考える姿勢を身に付けることができるよう指導に心掛けています。ここでも「患者から学ぶ」を基本に、卒前教育としてのクリニカルクラークシップ、卒後教育としての初期研修において、各グループリーダーの元、スタッフが屋根瓦方式で取り組んでいます。後期研修ではサブスペシャリティーを学ぶとともに、総合的な内科診療の能力向上を図ります。さらには“心カテをしたい”、“研究がしたい”、“留学してみたい”あるいは“地域医療にも興味がある”など一人一人の希望をかなえるキャリアが提供できるよう、また例えば出産・育児などでもキャリアを維持・継続できるよう各個人に沿ったカリキュラムを用意します。

学生・研修医の皆さんへ

私たちの教室は若いスタッフが多く、明るく活気にあふれています。循環器病学に興味を持つ多くの学生、研修医諸君の参加を期待します。

History沿革

当講座は1972年に第一内科(依藤進教授)として開講されました。1981年に第2代教授岩崎忠昭教授が就任し、2003年岩崎教授退職後は循環器診療の幅を広げるため2004年に循環器内科講座と冠疾患科講座が開講し、循環器内科に増山理主任教授、冠疾患科に大柳光正主任教授が就任しました。講座が2つになり、それまで以上に医局運営は活発になり、本学だけでなく他大学出身の入局者も増え、医局員数は常時30名以上になりました。2014年に大柳主任教授が退職、冠疾患科に石原正治主任教授が就任、2018年増山主任教授退任後、石原主任教授が循環器内科主任教授を兼任し、2020年より内科学循環器内科、冠疾患科、腎透析内科は統合され、循環器・腎透析内科学講座となりました。

History教室の特徴

弁膜症に対するカテーテル治療、心臓内にリード留置が不要なリードレスペースメーカ、心不全に対するβ遮断薬など循環器診療は日々変貌しております。歴代の教授の教えを継承し、石原正治主任教授、朝倉正紀教授の指導のもと、医局員は血管内治療、不整脈、心不全、基礎研究グループに配属され、診療、研究、教育に邁進しています。診療に関しては、虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症、大動脈弁狭窄症に対する最先端のカテーテル治療はもちろんのこと、不整脈に対するカテーテルアブレーション、ペースメーカ、植込み型除細動器植込み術など最新の治療を行っています。また、心不全診療では画像診断を駆使した正確な診断・病態把握に立脚し、適切な薬剤の導入、心臓再同期療法、心臓リハビリテーションを含め集学的治療を行っています。

 

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